2014年07月08日

『 燈籠 』作:太宰治


本日は、『ドラマチック・リーディングの扉』へ
お越し頂きありがとうございます。


― 燈籠 ―


作:太宰治  朗読:北村 青子 24分00秒


― 冒頭文 ―

言えば言うほど、人は私を信じて呉れません。逢うひと、逢うひと、みんな私を警戒いたします。ただ、なつかしく、顔を見たくて訪ねていっても、なにしに来たというような目つきでもって迎えて呉れます。たまらない思いでございます。もう、どこへも行きたくなくなりました。すぐちかくのお湯屋へ行くのにも、きっと日暮をえらんでまいります。誰にも顔を見られたくないのです。ま夏のじぶんには、それでも、夕闇の中に私のゆかたが白く浮んで、おそろしく目立つような気がして、死ぬるほど当惑いたしました。きのう、きょう、めっきり涼しくなって、そろそろセルの季節にはいりましたから、早速、黒地の単衣に着換えるつもりでございます。

『 燈籠 』作:太宰治

BGM:フリー音楽素材 Senses Circuitより
    :MIDI pro musica antiquaより


〈 注釈 〉

・ セルの季節: 春先や秋口。綾織の洋服地を表すsergeをセルジと読み、縮んで「セル」。戦前に春先や秋口の着物として流通していた毛織物。


●●●● Coffee Break ●●●●

● ニヒリズム(Wikipedia)

● ニヒリズムについて
 貫 成人著 『 哲学マップ 』(ちくま新書)
 第六章近代の不安より引用





ドラリー扉マスコット  
今日も、ドラリー扉に来てくれてありがとう★    


『 燈籠 』等、中期の作品から
秀作14編を収録

     

    




posted by 北村青子 at 13:42| Comment(0) | 朗読作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする