本日は、『ドラマチック・リーディングの扉』へ
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この作品は、3部に分けて配信いたします。
― 雛 ― (1)
江戸時代に隆盛を誇ったが、明治維新を境に没落してしまう旧家。
生活のために売られる雛人形への愛惜の念と、文明開化の波にのまれてゆく家族の姿が、老女の回想を通して静かに語られる。
作:芥川龍之介 朗読:北村 青子 16分25秒
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― 冒頭文 ―
箱を出る顔忘れめや雛二対 蕪村
これは或老女の話である。
……横浜の或亜米利加人へ雛を売る約束の出来たのは十一月頃のことでございます。紀の国屋と申したわたしの家は親代々諸大名のお金御用を勤めて居りましたし、殊に紫竹とか申した祖父は大通の一人にもなつて居りましたから、雛もわたしのではございますが、中々見事に出来て居りました。
〈注釈〉
・大通(だいつう)
遊里・遊芸などの方面の事情によく通じていること。また、その人。
・徳川家の御瓦解(とくせんけのごがかい)
大政奉還によって、徳川幕府が政権の座からおりたこと。
・御用金(ごようきん)
江戸時代、幕府・諸藩が財政上の不足を補うため、臨時に商人などに上納を命じた金銭。本来は利子付きで返済する借入金だが、幕末には利子はもちろん元金もほとんど償還されなかった。
BGM:フリー音楽素材 Senses Circuitより
:ニコニコ・コモンズ素材ライブラリーより
●●●● Coffee Break ●●●●
● 芥川龍之介「雛」論 ―空間構造の視点から―
著者:早澤正人
● 文明開化の共同幻想について
岸田秀 著 『 ものぐさ精神分析 』(中公文庫)
国家論より引用
● オッペケペー節
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