2014年04月24日

『 ヴィヨンの妻 』(1)作:太宰治


本日は、『ドラマチック・リーディングの扉』へ
お越し頂きありがとうございます。
この作品は、4部に分けて配信いたします。


― ヴィヨンの妻 ―(1)


作:太宰治  朗読:北村 青子 21分44秒


― 冒頭文 ―

あわただしく、玄関をあける音が聞えて、私はその音で、眼をさましましたが、それは泥酔の夫の、深夜の帰宅にきまっているのでございますから、そのまま黙って寝ていました。夫は、隣の部屋に電気をつけ、はあっはあっ、とすさまじく荒い呼吸をしながら、机の引出しや本箱の引出しをあけて掻きまわし、何やら捜している様子でしたが、やがて、どたりと畳に腰をおろして坐ったような物音が聞えまして、あとはただ、はあっはあっという荒い呼吸ばかりで、何をしている事やら、私が寝たまま、「おかえりなさいまし。ごはんは、おすみですか? お戸棚に、おむすびがございますけど」と申しますと、

『 ヴィヨンの妻 』作:太宰治

〈注釈〉
・二重廻し(にじゅうまわし)
袖が無くケープが付いている男性用の和装防寒コート。
インバネス」「とんび」と類似。


太宰治画像:ウィキメディア・コモンズより
BGM:フリー音楽素材 Senses Circuitより
   :ニコニコ・コモンズ素材ライブラリーより
   :音人On-Jinより






ドラリー扉マスコット  
今日も、ドラリー扉に来てくれてありがとう★




    

    

posted by 北村青子 at 06:15| Comment(0) | 朗読作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。