2014年05月01日

『 ヴィヨンの妻 』(2)作:太宰治


本日は、『ドラマチック・リーディングの扉』へ
お越し頂きありがとうございます。
この作品は、4部に分けて配信いたします。


― ヴィヨンの妻 ―(2)


作:太宰治  朗読:北村 青子 17分47秒



― 冒頭文 ―

それから十日ほど経って、こんどは大谷さんがひとりで裏口からまいりまして、いきなり百円紙幣を一枚出して、いやその頃はまだ百円と言えば大金でした、いまの二、三千円にも、それ以上にも当る大金でした、それを無理矢理、私の手に握らせて、たのむ、と言って、気弱そうに笑うのです。もう既に、だいぶ召上っている様子でしたが、とにかく、奥さんもご存じでしょう、あんな酒の強いひとはありません。酔ったのかと思うと、急にまじめな、ちゃんと筋のとおった話をするし、いくら飲んでも、足もとがふらつくなんて事は、ついぞ一度も私どもに見せた事は無いのですからね。

『 ヴィヨンの妻 』作:太宰治


太宰治画像:ウィキメディア・コモンズより
BGM:フリー音楽素材 Senses Circuitより
   :ニコニコ・コモンズ素材ライブラリーより
   :音人On-Jinより





ドラリー扉マスコット  
今日も、ドラリー扉に来てくれてありがとう★    




    

    

posted by 北村青子 at 05:46| Comment(0) | 朗読作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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