2014年06月21日

『 ヴィヨンの妻 』(4)作:太宰治


本日は、『ドラマチック・リーディングの扉』へ
お越し頂きありがとうございます。
この作品は、4部に分けて配信いたします。


― ヴィヨンの妻 ―(4)


作:太宰治  朗読:北村 青子 18分40秒


― 冒頭文 ―

ほんの三十分、いいえ、もっと早いくらい、おや、と思ったくらいに早く、ご亭主がひとりで帰って来まして、私の傍に寄り、「奥さん、ありがとうございました。お金はかえして戴きました」「そう。よかったわね。全部?」ご亭主は、へんな笑い方をして、「ええ、きのうの、あの分ぶんだけはね」「これまでのが全部で、いくらなの? ざっと、まあ、大負けに負けて」「二万円」「それだけでいいの?」「大負けに負けました」「おかえし致します。おじさん、あすから私を、ここで働かせてくれない? ね、そうして! 働いて返すわ」「へえ? 奥さん、とんだ、おかるだね」私たちは、声を合せて笑いました。

『 ヴィヨンの妻 』作:太宰治

〈注釈〉・エピキュリアン
快楽主義者、享楽主義者。

太宰治画像:ウィキメディア・コモンズより
BGM:フリー音楽素材 Senses Circuitより
   :ニコニコ・コモンズ素材ライブラリーより
   :音人On-Jinより





ドラリー扉マスコット  
今日も、ドラリー扉に来てくれてありがとう★    


    

    

posted by 北村青子 at 04:08| Comment(0) | 朗読作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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