本日は、『ドラマチック・リーディングの扉』へ
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― 燈籠 ―
作:太宰治 朗読:北村 青子 24分00秒
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― 冒頭文 ―
言えば言うほど、人は私を信じて呉れません。逢うひと、逢うひと、みんな私を警戒いたします。ただ、なつかしく、顔を見たくて訪ねていっても、なにしに来たというような目つきでもって迎えて呉れます。たまらない思いでございます。もう、どこへも行きたくなくなりました。すぐちかくのお湯屋へ行くのにも、きっと日暮をえらんでまいります。誰にも顔を見られたくないのです。ま夏のじぶんには、それでも、夕闇の中に私のゆかたが白く浮んで、おそろしく目立つような気がして、死ぬるほど当惑いたしました。きのう、きょう、めっきり涼しくなって、そろそろセルの季節にはいりましたから、早速、黒地の単衣に着換えるつもりでございます。
BGM:フリー音楽素材 Senses Circuitより
:MIDI pro musica antiquaより
〈 注釈 〉
・ セルの季節: 春先や秋口。綾織の洋服地を表すsergeをセルジと読み、縮んで「セル」。戦前に春先や秋口の着物として流通していた毛織物。
●●●● Coffee Break ●●●●
● ニヒリズム(Wikipedia)
● ニヒリズムについて
貫 成人著 『 哲学マップ 』(ちくま新書)
第六章近代の不安より引用
今日も、ドラリー扉に来てくれてありがとう★
『 燈籠 』等、中期の作品から
秀作14編を収録
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